親知らずの抜歯
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親知らずの抜歯
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『痛み』こそ患者さんが最も不安を感じることではないでしょうか。
抜歯中の痛みや、抜歯後の痛みが不安で抜歯を先延ばしにしている方も少なくないと思います。
当院ではエビデンスに基づいた確実な麻酔を心がけています。
まずは麻酔のための麻酔(表面麻酔)を行い、【チクッ】の不快をできるだけ抑えるように努めます。
麻酔はしっかり効いてくるまでの時間が重要です。最も麻酔が効くのは10分と報告があります。
当院では最低でも10分間は麻酔が効くまで待っていただき抜歯に臨むことを徹底しています。
親知らずの抜歯は歯科医師であれば誰でもそれなりに可能です。ただし、一般診療をメインにおこなう傍らであり、親しらずの抜歯をメインにしているクリニックはほとんどありません。
また、当院ではそれぞれのドクターが口腔外科や講習などで親知らずの抜歯を学び、トレーニングを積んでいるドクターが在籍しています。
埋まった親知らずの抜歯は歯茎を切開をして十分に親知らずが見えるようにしないといけません。十分に見えるためには切開を大きくする必要があります。
また、骨を削り親知らずをしっかりと見える状態にして抜くことが教科書的な手技ですが、教科書通りの抜歯は侵襲が大きく腫れや痛みが大きくなることが多々あります。
当院ではトレーニングを積んだドクターが、最小の切開と侵襲を極力抑えることで、術後の腫れ・痛み・出血を抑えるように努めてます。
親知らずの抜歯を行う際に重要なことは、親知らずを安全に確実に抜歯するために親知らず周囲の全体像を正確に把握することです。
下あごの親知らずの周囲には神経や血管(下歯槽神経血管束)が通り、上あごの親知らずの周囲には上顎洞という副鼻腔の空洞が近くにあります。
親知らずの周囲の把握をすることで、抜歯時に神経や血管を傷つけない対策が可能となります。
当院では通常のパノラマX線画像と歯科用CTを併用することで、親知らずやその周囲の解剖を立体的に把握でき、神経や血管の位置を考慮しながら治療を進めることが可能となります。
当院の診察は親知らずを診る前にまずは患者さんがどのような気持ちかを把握することから始まります。
外科は手技や技術面ばかりが言われますが、それ以前に人と人、心と心のつながりを大切にしています。
歯ぐきに炎症がある場合や、全身麻酔適応のケースを除いて、ほぼ全ての親知らずは初診当日に抜歯が可能です。
親知らずの痛みは、成人であればほどんどが細菌感染が原因です。他には生えてくるときの歯茎を突き破る際の炎症による痛みもあります。
親知らずは歯肉が部分的に被ることで歯ブラシが十分に届かず細菌が蓄積し炎症が起きます。
この炎症を智歯周囲炎(ちししゅういえん)といい、腫れや痛みが生じ、炎症が進行すると口が開けられなくなったり、痛みとともに熱が出たりすることもあります。
疲れやストレスなどで身体の抵抗力が落ちたときに炎症が起こりやすいのも細菌感染の特徴です。
妊娠中に智歯周囲炎を起こすと、抗生物質を服用する必要があったりと妊婦さんには精神的な負担となることがあります。
そのため妊娠前の女性には親知らずの抜歯をおすすめしています。
全ての親知らずは抜歯が必要なわけではありません。抜歯が必要な場合と必ずしも必要でない場合があります。
過去に何らかの症状があった、あるいは現在ある場合は、根本的な解決法は抜歯となります。
抜歯をしない選択をすると症状が繰り返し起こり、炎症が広範囲に及ぶ顎骨周囲炎や、顎骨内に炎症が及ぶ骨髄炎となる場合があり、難治性となることがあります。
最も大切なことは患者さんご自身の親知らずが現在どのような状況にあるかということを把握することです。
日頃から歯科健診を受けて、不具合の兆候がみられる「親知らず」を早期に発見し、適切な処置をしておくことも大切です。
親知らずの抜歯がすすめられるケースには、主に以下のようなものがあります。
1
問診票を拝見した後にパノラマX線画像で親知らずの現状を大まかに確認します。
2
口の中を拝見し、親知らずの歯ぐきに炎症があるかないか、その日に抜歯が可能かどうか診査します。
3
レントゲン画像を見ながら、親知らずについてご説明します。
抜くべきか、抜かなくても良いかどうかから相談します。抜歯の場合は抜き方や、抜歯後の注意事項の説明をします。
4
神経・血管が近い場合や、上顎洞(鼻の空洞)に近い場合はCTで、神経や血管の位置、親知らずとの関係を立体的に確認します。
5
表面麻酔を行い注射の痛みを感じなくさせたのちに、注射の麻酔を行います。表面麻酔により麻酔の痛みを最小限に抑えます。
注射の麻酔が完了した後は麻酔がしっかり効いてくるまで最低でも10分以上はかかるため、抜歯を始めるまで待ち時間となります。
6
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抜いた後の傷(穴)が早く塞がるようにコラーゲンを入れることが粘膜の形成と骨形成に有効と報告があります。抜歯した直後にコラーゲンスポンジを入れて縫合することで効果を期待できます。
また、ガーゼを強く噛んでいただくことで圧迫止血を行い、痛みや腫れを最小限に抑えます。
8
適切に縫合しないと、術後の腫れや痛みを引き起こす原因となります。
術後の症状まで考慮して縫合します。
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抜歯後1〜2週間ほどで抜糸をします。