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「抜いてから数日経つのに、なぜか痛みがどんどん強くなっている…」
そんな経験をされている方、今まさに不安を抱えていませんか?
親知らずを抜いた後、傷口に形成される「血餅(けっぺい)」は、骨や神経を守る天然のバリアです。この血餅が何らかの理由で取れてしまうと、骨がむき出しになり、強い痛みが続く「ドライソケット」という状態に陥ることがあります。
抜歯後の痛みは通常、数日で落ち着いていくものです。しかし、一度軽くなったはずの痛みが再び強くなってきたなら、それは見逃してはいけないサインかもしれません。
東京新橋歯科口腔外科の院長として、日々多くの親知らず抜歯を担当してきた立場から、血餅が取れてしまった場合の正しい対処法と、ドライソケットのリスクについて詳しくお伝えします。
東京新橋歯科口腔外科
抜歯後に気になる症状が出た場合は、早めにご連絡ください
「血餅が取れたかもしれない」「痛みが増してきた」など、抜歯後に通常と異なる症状を感じた場合は、早めにご相談いただくことをお勧めします。週7日・10〜17時診療で対応しています。
月〜日・週7日 10:00〜13:00 / 14:00〜17:00 | 新橋駅徒歩5分・汐留駅徒歩6分・内幸町駅徒歩8分
まず、基本から整理しましょう。
親知らずを抜いた後、抜歯窩(ばっしか)と呼ばれる穴に血液が集まり、やがてゼリー状に固まります。これが「血餅」です。
血餅は単なる血の塊ではありません。露出した骨や神経を外部の刺激から守り、その後の組織再生・骨形成を促す、いわば「治癒の土台」です。血餅が正常に形成されることで、肉芽組織が作られ、上皮化が進み、骨が再生されていきます。この一連のプロセスが順調に進むことで、傷口は自然に塞がっていきます。
逆に言えば、この血餅が失われると治癒のスタート地点が崩れてしまいます。

通常の治癒経過では、術当日から翌日にかけて痛みがピークを迎え、その後は徐々に軽減していきます。痛み止めの服用間隔が少しずつ延びていくなら、回復傾向と判断できます。2〜3日目から楽になり、1週間でかなり軽快するのが一般的な流れです。
深い埋伏歯の場合は、2〜3週間ほど鈍痛が残ることもありますが、それ自体は異常ではありません。大切なのは「痛みの推移」です。
一度軽くなった痛みが、再び強くなってきたら要注意です。
「ドライソケット」は正式には「歯槽骨炎(Alveolar Osteitis)」と呼ばれ、抜歯窩内の血餅が脱落・崩壊し、骨が露出した状態を指します。抜歯後の合併症の中でも、特に親知らずの抜歯後に起こりやすいとされています。
発生頻度については、通常の抜歯では1〜4%程度、下顎の親知らず(下顎智歯)では約5〜10%、難症例では最大20%前後という報告もあります。ただし、臨床的に実際に診断されるケースはそれほど多くないのも事実です。
特に「痛みの再増悪」が重要なサインです。正常な回復では痛みは徐々に減少していきます。一度軽くなったはずなのに再び激しくなった場合は、ドライソケットを疑ってください。
傷口が白く見えると「骨が露出している!」と驚く方がいます。
しかし多くの場合、白く見えるのは「フィブリン」と呼ばれる創傷治癒過程で形成されるタンパク質や、正常な治癒組織であることがほとんどです。見た目だけで判断せず、痛みの推移を冷静に観察することが大切です。
ドライソケットになると、強い痛みが10日〜2週間ほど続き、その後1〜2週間かけて徐々に和らいでいきます。完全に落ち着くまで、長ければ1カ月ほどかかることもあります。
なぜ血餅は取れてしまうのでしょうか?
実は、患者さん自身の行動が原因になることが少なくありません。抜歯後の過ごし方が、血餅の安定に大きく影響するのです。

「抜いた後、気になってちょっと舌で触ってしまった…」という方は意外と多いものです。その一瞬の行動が、その後の2週間の痛みにつながることもあります。
下顎の親知らずは、上顎に比べて骨の中の血管の走行が少なく出血が起こりにくいため、ドライソケットになりやすい特徴があります。横や斜めに生えている大きな歯を抜く場合や、骨の深部に埋まった難抜歯の場合も、リスクが高まります。
処置についてご不明な場合
自己判断に迷う場合は、遠慮なくお問い合わせください
ドライソケットかどうかの判断や、その後の処置の必要性については、診察によって確認する必要があります。症状が気になる場合はご連絡ください。
「少し様子を見ていれば治るかも…」と思っていませんか?
ドライソケットを放置すると、単なる痛みの長期化だけでは済まないことがあります。骨が露出した状態が続くと、そこから細菌が繁殖して炎症を引き起こし、「急性歯槽骨炎」を発症する場合があります。強い痛みだけでなく、骨が壊死するケースもあり、症状の範囲が広い場合は外科手術が必要になることもあります。
さらに、細菌感染によって皮膚と皮下組織に炎症が生じる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を引き起こすリスクもあります。症状が悪化すると発熱・倦怠感・食欲不振などの全身症状が現れる可能性もあります。
また、ドライソケットを放置すると歯茎の形が悪くなるリスクもあります。抜歯した穴の部分は歯茎が作られて覆われますが、炎症が強いとキレイに形成されません。骨に強い炎症や壊死があった場合はその部分を削る必要が出てくるため、骨の量が足りず、歯茎で覆われてもへこんだり段差が生じることがあります。将来的にインプラントを検討している方にとっては、必要な骨の面積が足りなくなる可能性もあります。
早めに歯科医院を受診することが、最も確実な対処法です。
では、実際にどう対処すればよいのでしょうか。

これが最優先です。自己判断で様子を見るのは危険です。
ドライソケットの治療は、歯科医院での処置が必要です。傷口の洗浄・消毒を行い、必要に応じて鎮痛薬が処方されます。その後、日々のケアで経過観察をしながら回復を待ちます。早ければ1週間ほど、通常2週間前後で痛みが和らいでいきます。
受診するまでの間、以下のことを心がけてください。
辛いものや刺激の強いもの、硬いものは避けましょう。
アルコールも厳禁です。食べかすが傷口に入ることを防ぐため、食後は優しく口をゆすぐ程度にとどめてください。歯磨きは抜歯した箇所とその手前の歯には当てないようにしましょう。
これらの症状がある場合は、迷わず受診してください。
予防できるなら、それに越したことはありません。
抜歯後の注意事項をしっかり守ることが、ドライソケット予防の基本です。当院でも抜歯後に以下の点をお伝えしています。

上の親知らずを抜いた場合は、2週間は鼻をかまないようにしてください。鼻腔に圧がかかることで上顎洞に穴が空いて口とつながる恐れがあります。くしゃみはこらえずに出すようにしましょう。
当院では任意のオプションとして、抜歯後の傷口にコラーゲンスポンジを挿入する処置を行っています。コラーゲンスポンジを挿入することで粘膜の形成と骨形成に有効と報告されており、傷が早く塞がる効果が期待できます。ドライソケットのリスク軽減にも寄与する可能性があります。
ドライソケットは、抜歯の方法や術後管理によってリスクを大きく下げることができます。
東京新橋歯科口腔外科では、「最小の切開と侵襲を極力抑えた手技」を徹底しています。教科書通りの大きな切開と骨削除は侵襲が大きく、術後の腫れや痛みを引き起こしやすいため、トレーニングを積んだドクターが最小限の侵襲で抜歯を行います。手術時間が短いほど術後の反応性炎症も少なく、ドライソケットのリスクも低減できます。
また、**CTを用いた立体的な画像診査**により、神経・血管の位置を正確に把握した上で安全に抜歯を行います。通常のパノラマX線画像と歯科用CTを併用することで、親知らずとその周囲の解剖を立体的に確認できます。
麻酔についても、エビデンスに基づいた確実な手法を採用しています。表面麻酔で注射時の痛みを最小限に抑え、麻酔が最も効果を発揮する10分間を必ず待ってから抜歯を開始します。しっかりと麻酔が効いた状態で行う抜歯は、患者さんへの侵襲も少なく、術後の回復にも好影響をもたらします。
初診当日の抜歯にも対応しており(歯ぐきに炎症がある場合や全身麻酔適応ケースを除く)、新橋駅から徒歩5分、土日も診療しています。Web予約やLINE予約確認システムで待ち時間もほぼありません。
親知らず抜歯後の「血餅」は、治癒の要です。
血餅が取れてしまうと、骨がむき出しになり強い痛みが続く「ドライソケット」に発展するリスクがあります。一度軽くなった痛みが再び強くなってきた場合、痛み止めが効かない場合、傷口から嫌なにおいがする場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。
自宅でできることは限られています。うがいを最小限にし、傷口を触らず、禁煙・禁酒を守ることが基本です。しかし、これらはあくまで応急対応です。
ドライソケットは適切な処置を受ければ、早ければ1〜2週間で回復できます。放置すればするほど、回復に時間がかかり、骨炎などの深刻なリスクも高まります。
「もしかして…」と感じたら、その直感を大切にしてください。
親知らずの抜歯後のトラブルでお困りの方、ドライソケットかもしれないと不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。東京新橋歯科口腔外科では、口腔外科でトレーニングを積んだ経験豊富なドクターが、患者さんの気持ちに寄り添いながら丁寧に診察いたします。
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畠山 一朗