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「抜歯は終わった。でも、抜糸って痛いの?」
そう不安を抱えたまま、次の来院日を待っている方は少なくありません。
親知らずを抜いた後、縫合された糸を取り除く「抜糸(ばついと)」という処置があります。抜歯そのものへの恐怖は何となく想像できても、抜糸の痛みについては情報が少なく、余計に不安になってしまう方が多いのが現実です。
東京新橋歯科口腔外科の院長、畠山一朗です。口腔外科を専門とし、東京医科歯科大学大学院で顎口腔外科学を修了した歯学博士として、これまで数多くの親知らず抜歯・縫合・抜糸を担当してきました。今回は、抜糸の痛みや回復の流れについて、現場の経験を踏まえて正直にお伝えします。
東京新橋歯科口腔外科
縫合・抜糸に関するご不安はお気軽にご相談ください
抜糸のタイミングや痛みの程度は、縫合の方法や治癒の経過によって異なります。「いつ来院すればよいか」「傷の治り方が心配」といったご相談も口腔外科医が丁寧にお答えします。週7日診療。
月〜日・週7日 10:00〜13:00 / 14:00〜17:00 | 新橋駅徒歩5分・汐留駅徒歩6分・内幸町駅徒歩8分

縫合の目的を知ると、抜糸への不安も和らぎます。
親知らずを抜いた後、その部位には穴が空き、骨が一時的に露出した状態になります。そこに血液が流れ込み、「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊が形成されます。この血餅は、傷口を覆うフタのような役割を果たし、止血と組織の再生を促す非常に重要な存在です。
ところが、歯磨きやうがいによって血餅が剥がれてしまうことがあります。そうなると骨が露出したまま激しい痛みが続く「ドライソケット」という状態に陥るリスクがあります。縫合はこれを防ぐために行われます。
ただし、すべての抜歯で縫合が必要なわけではありません。歯科医師が「ガーゼで圧迫すれば問題ない」と判断した場合は、縫合しないケースもあります。縫合するかどうかは、抜歯の難易度・穴の大きさ・切開の有無などを総合的に判断して決定します。
特に縫合が必要になりやすいのは、以下のようなケースです。
当院では、最小限の切開・最小限の侵襲を心がけた手技を採用しています。教科書的な大きな切開は術後の腫れや痛みを大きくすることが多いため、トレーニングを積んだドクターが丁寧に対応しています。
縫合中に痛みを感じることは、まずありません。
抜歯の前には表面麻酔と注射麻酔を行います。麻酔は1時間から長くて4時間ほど持続するため、縫合している間は麻酔がしっかり効いた状態です。針と糸が動いている感覚はあっても、痛みとして感じることはほとんどないと考えてください。
当院では、麻酔が最も効果を発揮する10分間を必ず待ってから抜歯を開始します。これはエビデンスに基づいた手順です。麻酔が十分に効いた状態で処置を行うことで、縫合を含む一連の処置中の痛みを最小限に抑えることができます。
麻酔が切れた後は、多少の痛みや違和感が出ることがあります。痛みのピークは抜歯翌日であることが多く、その後は徐々に和らいでいきます。腫れのピークは痛みより少し遅れて、抜歯後2日目ごろに現れることが一般的です。
処方された鎮痛剤を指示通りに服用することで、多くの場合は対処できます。
結論から言います。
抜糸の痛みは、ほとんどありません。
「また痛い思いをするのでは…」と身構えている方も多いのですが、抜糸は麻酔なしで行うことが一般的で、それでも痛みをほとんど感じないのが実情です。抜糸用の小さなハサミで糸を切り、ピンセットで引き抜くだけの処置です。チクッとした感覚や引っ張られる感覚はあっても、「痛い」と感じる方は少数です。
ただし、使用する縫合糸の素材・太さ・結び方の強さによって、わずかな違いが出ることはあります。また、傷口がまだ完全に落ち着いていない状態で抜糸を行うと、多少の不快感が生じることもあります。
なお、縫合糸には「吸収糸」と「非吸収糸」の2種類があります。吸収糸は体内で自然に溶けるため、抜糸の必要がありません。非吸収糸を使用した場合は、抜歯後1〜2週間を目安に抜糸を行います。どちらを使用するかは術式や歯科医師の判断によります。

「抜糸が怖くて来院できない」という方もいらっしゃいますが、抜糸を放置すると縫合糸に細菌が付着しやすくなり、感染リスクが高まります。指定された日程での来院を強くお勧めします。
回復の流れについて
難しい抜歯の場合も、回復の流れを担当医に確認しておきましょう
骨を削るなど処置の複雑さによって回復期間には個人差があります。「縫合あり・なし」「骨削りの有無」など、ご自身のケースに合った経過を確認したい場合はご来院ください。
抜歯から完全回復まで、どのくらいかかるのか。段階を追って整理します。
抜歯直後は、ガーゼを30分しっかり噛んで圧迫止血を行います。数日間は唾液にわずかに血が混じることがありますが、これは正常な反応です。
当日は激しい運動・入浴(シャワーは可)・飲酒を避けてください。血圧が上がると再出血のリスクが高まります。また、強いうがいは血餅を流してしまう可能性があるため、1週間は「ぶくぶくうがい」を避けることが重要です。
腫れは抜歯後2日目ごろにピークを迎えることが多いです。顔が腫れて鏡を見て驚く方もいますが、これは正常な炎症反応です。傷口を冷やしすぎると治癒が遅くなる可能性があるため、冷やす場合は氷ではなく濡れタオル程度にとどめてください。
多くの方は、抜歯後3〜4日から1週間ほどで痛みや腫れが落ち着いてきます。2週間ほどは鈍い痛みが残ることもありますが、日常生活に支障が出るほどではないことがほとんどです。
傷口がある程度ふさがった状態になったら、抜糸を行います。当院では抜歯後1〜2週間を目安に抜糸の予約をお取りしています。この時点で傷口の状態を確認し、問題がなければ抜糸を実施します。
抜糸が終わったからといって、すべてが治癒したわけではありません。歯肉が元の状態に戻るまでにはおよそ1ヶ月かかります。内部の骨が完全に回復するには、3ヶ月以上の時間が必要とされています。
焦らず、経過を見守ることが大切です。

抜糸後も、しばらくは注意が必要です。
抜歯後2〜3日が経過しても痛みが増している、または一度落ち着いた痛みがぶり返してきた場合は「ドライソケット」の可能性があります。
ドライソケットとは、抜歯後に形成されるべき血餅が失われ、骨が露出した状態です。激しい痛みが2週間ほど続くこともあり、早めの受診が必要です。
ドライソケットのリスクを高める行為として、以下が挙げられます。
上顎の親知らず周囲には「上顎洞(じょうがくどう)」という副鼻腔の空洞があります。抜歯後2週間は鼻をかまないようにしてください。鼻腔に圧がかかることで、上顎洞に穴が空いて口とつながってしまう恐れがあります。くしゃみはこらえずに出すようにしましょう。
抜歯した傷口とその1つ手前の歯は、抜糸が終わるまで磨かないようにしてください。傷口に歯ブラシが当たると、治癒が遅れるだけでなく、細菌感染や出血を引き起こすことがあります。

縫合は、ただ傷口を閉じるだけの処置ではありません。
術後の腫れ・痛み・出血を最小限に抑えるためには、適切な縫合が欠かせません。縫い方が雑だったり、張力が強すぎたりすると、術後の症状が大きくなることがあります。当院では術後の症状まで考慮した縫合を心がけています。
また、抜歯後の傷の早期治癒を促すために、コラーゲンスポンジを傷口に挿入するオプションもご用意しています。コラーゲンスポンジは粘膜の形成と骨形成に有効と報告されており、傷が早く塞がる効果が期待できます。
初めて親知らずを抜く方が「怖い」と感じるのは当然のことです。
これは、当院が診察の最初から大切にしている姿勢です。患者さんがどのような気持ちでいるかを把握することから、すべての診察が始まります。
「抜糸が怖い」「痛みが心配」という不安も、遠慮なくお伝えください。一緒に考えます。
改めて、ポイントを整理します。
抜糸そのものは短時間で終わる処置です。しかし、抜糸後も傷口が完全に治癒するまでには時間がかかります。指示された注意事項を守り、定期的に経過確認を受けることが、スムーズな回復への近道です。
「親知らずが気になっているけど、怖くて踏み出せない」という方も、ぜひ一度ご相談ください。東京新橋歯科口腔外科は、新橋駅から徒歩5分、土日も診療しています。初診当日の抜歯にも対応しており、CTを用いた立体的な画像診査で安全を確保した上で、最小限の侵襲で治療を行います。
あなたの不安を、一緒に解消しましょう。
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畠山 一朗